「地域交換留学」で、
地域課題を当事者化する!

プロジェクト概要
「地域交換留学」とは
私が取り組んだ「地域交換留学」とは、全国の高校生と双葉郡の高校生をつないで、互いの地域でホームステイをしながら、その地域の課題について深く考える「宿泊型プログラム」です。ふたば未来学園高校の探究プロジェクトとして実施しました。
プロジェクトのきっかけ
ふたば未来学園高校に入学すると、東日本大震災による1次災害と、原子力発電所の事故関連の2次災害によって被害を受けた地域を、フィールドワークで知る機会があります。
私は、それを見て衝撃を受けました。
テレビなどのマスコミ報道では、「復興」しているとされていましたが、自分の目で見た双葉郡の町は、人の気配がなく、壊れたままのショールームや民家が並んでいて、とても「復興」とは言いがたい姿でした。
私は、同じ福島県出身ですが、白河市という、被災地からは離れた地区の寮に住んで学んでいます。
同じ福島県民として、同時に、違う地区からやってきた別の視点を持つ者として、地域復興に携わりたい!と思うようになったのがきっかけです。
「地域交換留学」で達成したかったこと
私が「地域交換留学」というプロジェクトで達成したかったのは、以下の3つでした。
- ①県内外に広がる、震災・原発事故の問題意識の差をなくすこと
- ②他地域の問題を、他人事から自分事に変えること
- ③社会をよりよくするきっかけを作ること
双葉郡という地域のフィールドワークで私が衝撃を受けたように、震災・原発事故に対する問題意識は、どうしても地域間で出てきてしまいます。
それは、情報に触れる機会がないから。
「地域交換留学」では、住む環境、抱える問題が異なる地域どうしの人たちが、お互いの地域の問題を初めて知ります。「他の地域のこと」と今まで知らなかったことを、足を運び、ホームステイで話を聞きます。自分の目と耳で実際に話しを聞くことで、その地域と向き合って考えます。
そうすることで、地域、ひいては日本の未来について考え、また、そこで得られたプランやアイデアをその地域に発信することで、社会をより良くするきっかけを作りたい!と考えました。
「地域交換留学」のプログラム
「地域交換留学」はは3つの内容で構成されていました。
(1)フィールドワーク
実際に街について知ることのできる場所に行き、地域の人と交流し、自分の目と耳で話を聞くことで地域を知る機会を設けます。
(2)ホームステイ
その地域に住む方の家へホームステイをして、地域の話を聞くことで地域を知る。
また、交流を深めて「第二の故郷」として、ホームステイ参加者とその地域との繋がりを持ち続けてもらいます。そうことでその地域の問題を、他人事から自分事に変えます。

(3)地域未来会議
その街の10年、20年後の理想の社会について、様々な分野の未来予測を使って、教育、医療、交通といった分野別の観点で理想の社会をイメージします。
それぞれ住む環境や、抱える問題が異なる他の地域の人が、違う視点からアイデアを出すことで、より幅広い視点から地域と向き合う。そして、理想の未来を具現化するための方策を考えます。


「前例のない」問題にチャレンジして得られた経験
プロジェクトを通じて挑んだのは、「原子力災害からの復興」という、いまだかつて前例がない、どれも専門家の方たちにとっても答えのない問題。
課題設定や取り組みの内容も、もちろん「正解」がない中、様々なチャレンジを通して「最適解」を求めていくことが、私にとって大きな刺激になりました。
また、プロジェクトを通じて、地域の方や、廃炉関係/復興関係で他地区から来ている方々など、非常に多くの方と関わることができ、高校の授業では学べない、実社会に根ざした知識や経験を得ることができました。
また、地域の復興に携わったことで、私自身にも「地域愛」が芽生え、自分のためだけでなく他の人のため、地域の未来のためにできることをしたい、という気持ちを持つことができました。
「自分自身の探究」と、それを形にする「プロジェクト」の実践を通して、自分は何がやりたいのか、何を学びたいのかについて、しっかり考えることができました。
高校入学時には漠然と「大学進学」という目標しかなかったのですが、プロジェクトを通じて「地域」という分野に興味を持ったことで、大学選びなど進路選択にもつながりました。
大変だったこと・苦労したこと
実は「地域交換留学」は、個人での探究プロジェクトだったため、グループで仕事の分業ができませんでした。
受験や定期試験の準備などとも両立をしなくてはいけなかったので、時間の捻出がとっても大変でした!
限られた時間の中で、探究で得られた学びを持ち帰り、振り返って、どのように自分のものにし、今後の探究で生かしていくべきか、いつも悩んでいました。
また、資金面でも苦労しました。もし、プロジェクトに対して資金面でのサポートがあれば、プロジェクトの質をもう少し上げることができたのでは、と思います。